朝のひと時

毎日の日課。朝起きて、フランスは料理を作り始めた。 カナダが食べやすい柔らかい煮込み系からスープまで腕によりをかけて仕込んで行く 大方出来上がりかけた所で、匂いに導かれるようにカナダが目覚めた 抱き上げて頬に軽い口付けを。照れたカナダにフランスが髪をくしゃりと撫でた 「はい、あーん」 「…あーん」 「おいしい?カナちゃん」 ふうふう。と熱い料理を冷ましたフランスがカナダの口元へとスプーンを運んだ 躊躇いがちにフランスへと視線を向けてから、スプーンを頬張ると、口の中で美味しさが広がった 美味しい!と元気よく答えるカナダに鼻の下をだらしなく伸ばしたフランス< 「おいフランス、アメリカの分は?」 「朝くらいカナダといちゃつかせなさい」 「…いつもいちゃついてるじゃねえか」 カナダが起きてきた部屋からのっそりと寝癖を整えながら出てきたイギリス その手にはしっかりとアメリカの手が握られていた 匂いに誘われて、暫く快眠だったのか、未だにイギリスとアメリカは眠そうに目を擦った 第一声に挨拶もなく腹が減った。とアメリカが言えば、 イギリスは、目の前でいちゃついてようがお構いなく、当然のようにフランスに聞いた 少し不貞腐れながらもカナダにスプーンを渡して食べるように伝えたフランスが アメリカの分を用意すれば、フランスの前でイギリスとアメリカがいちゃついた 「ホント、君らは…」 「あ?なんだよ?」 「いぎりちゅ、はあーく」 「はいはい」 全く。と苦笑いしながらフランスはその様子を微笑ましく見つめていれば カナダは自分で冷ましながら食べ終えてしまったのか、食べ疲れたのか、寝ていた 眠りの邪魔にならない様に抱き上げながら、大人げなく 折角のいちゃつきを邪魔されたイギリスとアメリカに笑いながら告げた 「目の前でいちゃつかないでくれるかなー」
2009 3 29 2009 9 14 加筆修正