頼って

スコールがバッツに甘えてるのをたまには。たまには。20歳児が年上らしくスコールを甘えさせるのもありだと思う。 でも結果として怒られてるのもいいと思う。 「バッツ、少し膝を貸してくれないか」 「お、どーしたんだ」 「いいから膝を貸してくれ」 「ああうん、はい、どうぞ」 珍しいな、とバッツは呟いた。 もともと愛想もいいわけではないスコールが人に強請る、いや半ば強制的に人に身を預けようとしているのは とても珍しいとバッツは、自分の膝に頭を寄せたスコールを見下ろして考えていた。 機嫌がわるそう、調子もわるそう・・・いつから? スコールがいつもの顰めた表情のまま、肩が軽く上下して寝息を立てていた くす、と思わず笑いがこぼれたバッツはスコールの柔らかい髪を撫でるように指に絡ませた 「俺を頼ってくれたのか、スコール」 「・・・」 「かわいいところもあるじゃん」 「・・・・・」 「スコールは寝ててもこういう顔なのか」 嬉しさに笑顔を浮かべたバッツは、スコールに問いかけるように呟いた 寝ていたはずのスコールは、バッツの言葉にピクリと肩を揺らした バッツはその動きを見逃すはずもなく、起きてると確信すれば、笑顔に黒さが増した スコールの髪に絡めていた指をはずして、ゆっくりとスコールの顔へと指先を運んだ 眉間のしわをグリグリ、と指先の腹を押し付けてにやにや、とバッツは笑った 「・・・うるさい」 「あ、わるい」 「・・・バッツ、」 「ん〜」 「・・・」 「くちぱくぱくしてる」 「・・・」 「なんか言いたいことでもあるのか?」 「・・・うるさい、寝るから静かにしてくれ」 「はいはい」 スコールは眉間をいじる手を払いのけて、不機嫌そうにうっすらと目を開けた ごめん、と軽く謝ったバッツに、少し視線をさ迷わせてからスコールは見上げて何か言いたげに口を動かした バッツは暫しスコールを見つめていれば、首を傾げる仕草をして聞いた スコールはバッツの問いと視線に耐えられず、バッツの膝の上で寝返りをうって頭の向きをかえた 面と向かってお礼が言えない、妙に恥ずかしいな、とスコールはぶつぶつと呟いていた バッツはスコールの耳まで赤くなっているのに気づいたのか、また笑顔を浮かべた いつでも、頼って
2010 1 15