消毒

オニスコとツイッタで見たので聞いてみました。そしてオニオンとスコールの日だと知りました。 しかもオニオンが大人とかいう流れがあってですね、それ妄想したらイけるとか思ってしまった オニオン(大人)が賢者で白い服びろびろりんです。スコールはいつものスコールです。 オニオンがティナとスコールを大事にするんだっていうお話?うんお話です。 いつになくオニオンナイトが怒っていた その矛先はスコール、普段と変わらず無口だが表情は困惑していた オニオンナイトは普段より、少し大人びた姿。それでいて白い帽子、白いマントを身に纏っていた ケガ、というにはそれほどひどいわけでもないが、 放っておいたら大変だとオニオンナイトがジョブを変えて回復をしはじめた スコールは遠慮する、と言い続けたが オニオンナイトに半ば強引に押し切られ、押し倒され、スコールは大人しくなった スコールの上に跨ったまま、剣幕した表情を浮かべたオニオンナイトは ゆっくりとスコールのTシャツを捲くり上げた 「スコールはもう少し自分のことに気を配るべきだと思うよ!」 「・・・(すまない)」 「ちゃんと言葉に出してくれなきゃなにも分からないよ!」 「・・・ああ」 「他にケガしたところは?」 「もう、ない」 「・・・」 「ないって言ってるだろう」 「嘘はつくもんじゃないよ」 「嘘じゃ・・ッ、っ」 「わき腹に切りキズ、それとズボンも破けてるし繕ってあげる」 「いや、(そんなに大したキズでもなんでもない)」 「僕はスコールを守るって決めて、ティナも守るって決めたんだ」 「・・・」 「だから少し黙っておとなしくしててくれない?」 「しかたない、な(大人びたのか、それとも生意気さが誇張されただけ、か?)」 Tシャツの下から現われたのは、それは本当に大したことのない切り傷 それでも血が出ていた 「ほら血まで出てるじゃない、ちゃんと消毒しないと」 「・・・ッ、っ・・オニ、オ・・なにしてるんだ」 「なにって消毒でしょ?見て分からないの?」 「・・・(これが消毒?それは確かにそうかもしれないが・・)」 Tシャツに血がつかないように、オニオンナイトは切り傷へと顔を近づけた ぺろ、と舐めた 舌の感触に片手で口元を押さえてスコールは上半身を勢いよく起こした そのまま空いている手でオニオンナイトの肩を掴んだ 眼前に見えるスコールの顔を不思議そうに、訝しげに覗き込むオニオンナイトは首を傾げた スコールは仄かに顔を赤らめていた 「あ、スコール、ここにもケガしてるじゃない」 「・・・どこだ」 「ここ、」 顔を赤らめているスコールを見つめていたオニオンナイトが新しくケガを見つけた どこ、と聞かれれば、ここ、とスコールの唇を指差した すぐにオニオンナイトの顔が近づき、スコールの唇を舐めていた 冷たいような、熱いような、柔らかいような、感触に目を見開いたスコールはオニオンナイトを 押しのけるように手に力をいっぱい込めた 拒絶ではなく驚きからくる動揺 スコールは自分の唇を撫でるようにして触れた 真っ赤に近い顔は熱を放っていた オニオンナイトは少し不満そうに眉を寄せるも、裾を払いながら立ち上がった そして座ったままのスコールへゆっくりと手を指し伸ばし、立ち上がるように促した 「なにを、」 「だから消毒だって言ってるでしょ?ティナがよくしてくれるんだよ」 「ティナが・・?」 「ティナが」 「・・・(また誰かに吹き込まれたのか?)」 「だから、僕はスコールにもしたんだけど治った?」 「・・・ああ、そうだな(痛みは、ないな・・・本当に治癒したのか)」 「それならいいけど」 「ありが、とうオニオン」 「どういたしまして、ってことでお礼に、これ、もらうよ」 「・・・」 促されたスコールはオニオンナイトの手を借りて、立ち上がろうとした その時、オニオンナイトの顔が近づいた 笑いもせず、怒っていた表情もなく、不敵に口元を歪めていた 軽く、触れる口付けがされた 前触れもなく、ただ触れるだけ触れて、そのまま離れていった スコールは間を置いて、心臓が急激に加速していく感覚にその場にしゃがみ込んだ 「ちょっと、ティナと合流したいんだけど、立ってくれないかなスコール」 「・・・(先に、先に行ってくれ頼むから本当になんだこれ)」 「まったく、ティナもそうだけど・・・ちゃんと言ってくれないと分からないって言ったでしょ」 「・・・(これは言うとかそういうことじゃないだろう)」 「ティナが僕たちを見つけるまでここに居ても、いいんだけどね」 「・・・っ、」 「僕と二人じゃ不満なわけ?違うでしょ?」 「・・・、・・・(心臓がうるさい)」 「まあ、僕が離れることはないから、いいけど」 しゃがみ込んだスコールのすぐ横へと移動したオニオンナイトは同じようにしゃがみ込んだ まったく、とため息交じりに呟きながら、スコールを覗き込み、そのまま座り込んだ スコールはオニオンナイトの言葉を聞きながら、少しオニオンナイトを横目でちらり、と見つめた 視線に気づいたオニオンナイトはスコールの耳へと顔を近づけた 耳元で喋りだされると息が微かにかかり、ムズムズ、としたのか、 しゃがみ込んでいた体を立ち上がらせ、オニオンナイトとの距離をとった その距離を縮めて、スコールの横に並ぶオニオンナイトはにこり、と笑いながらスコールの手を取った
2010 3 8