もやもやとそわそわ

フリティダ〜可愛くてもえしねる 現代パロ 最近になって、俺はフリオニールと付き合うことになった 幼馴染ということもあって、普段となにも変わらない それなのに、俺は、フリオニールの横顔しか見れなくなっていた とあるお店のたい焼きがとてもおいしいと評判 クラスメイトのやつらがそうやって騒いでた だからフリオニールに奢ってもらおうなんて思いついた 他愛もない会話、どってことのない帰り道 フリオニールは俺が顔を見ないことに気づいて、ずっと前を向いたまま笑っていた 少し胸が痛い ごめん。俺だけがぎこちないんだよな。 ようやく、目的地についた その近くにはゲーセン。ここはゲームでいつものぎこちなさも解消!そんな風に考えていた 「俺が勝ったらたいやき!」 「そうだな、俺が勝ったら家まで遊びにこいよ」 「っえ、いや」 「付き合い始めてから、家にこなくなっただろ」 「・・・それは、その、なんつーかさ」 「ゲームのやりかけとか、そのままなんだけど」 「あ、そっか!そっかそっかそうだな、よし、行く」 「じゃあ対戦しようか」 対戦といいつつ、俺の好きな格闘ゲームの前へとフリオニールは行く いつもそう、俺が勝てるようにしてくれてるにすぎない 「フリオニール、今日は格闘ゲームじゃないのにするっス」 「え?」 「フリオニールが好きなゲームは?」 「・・・そうだな、麻雀とか・・かな」 「麻雀って、のばら、そんなゲームしてたんスか」 「カードゲームと同じで面白いんだ、相手の動きをよむ格闘ゲームとも同じさ」 「・・よし、じゃあその麻雀で勝負だ」 「・・・いいけど、ティーダは知ってるのか、麻雀のルール」 「知らないっス!でもやるっス!」 「・・・」 「基本だけ教えてほしいっス」 「いいよ」 麻雀、といわれてすごい意外だった まあゲーセンの中で選べっていうほうが微妙だったのか いつもフリオニールの家では、俺が欲しいって言ってるゲームが気づくとあって それは音ゲーだったりRPGだったり、とにかく、フリオニールがゲームをしてるっていうのは そうだな、俺と勝負するときくらい だから、ゲームが苦手、もしくは嫌いなのかなって勘違いしていた 最初にやり方を教えてもらった あとはヒントが出てくれるイージーでやることになった フリオニールが得意なゲームにしてもらったのに、結局ハンデをつけてもらって 俺が有利になってしまった そして勝った 「おめでとう、ほらたい焼き」 「あ、ありがとっス」 「久しぶりに楽しかった」 「・・・俺が、フリオニールの家に遊びに行かなくなったからっスか」 「・・、そうかもな」 「よし、フリオニール。たい焼きもっと買うっス」 「え、ティーダそんなにたい焼き好きなのか?初耳だな」 「違うっスよ、フリオニールの家に遊びに行くからっスよ」 「無理してこなくていいんだ」 「遊びたいから遊ぶ!それが理由っス」 久しぶりにフリオニールの顔をしっかりと見た 困ったような、情けない表情とあいまって少しだけ頬が緩んでいた 可愛い。いつもそうだ。この表情は俺だけに向けてくれる。 「よーし!フリオニールのおごりでたい焼き10こ!」 「・・・」 「あ、うそ、5こでいいっス」 「・・くく、しかたないなー」 「へへ・・のばら、手繋いで帰るっスよ」 「・・・」 「・・・」 「え」 「え、じゃなくて・・その、俺が意識し過ぎて、フリオニールは気遣ってくれてたみたいだしさ」 「・・・(俺が意識し過ぎていたわけではなかったのか、そうか)」 「なに笑ってるんスか!」 「なんでもない、嬉しいだけだ」 「明日は休みだし、泊まってもいいっスか」 「夜更かしはしないぞ」 「分かってるっスよ、あ、朝はいつものホットケーキがいいっス」 「ティーダも手伝ってくれるなら」 「手伝うっスよ」 「なら、家に帰ろう」 意識をしていたせいで、フリオニールにたいしてのもやもやというか なにかがあったのかもしれない それはいつもと違う感覚になることを怖れていただけの不安で、 今はそれがフリオニールの表情で安心に変わった 久しぶりだから、すごく、どきどきする。
2010 4 9