おすし

バッツとスコールがルームシェアしてるお話^o^ ジタンは本当によく訪ねてくる 「なーバッツー」 「どうしたジタン」 「お腹すいた」 「スコールがもうすぐ帰ってくると思う」 「えー」 「っあ、ショートカットずるいぞジタン!!」 「なにいってんの、ショトカくらい当然」 バッツとスコールがルームシェアをしている部屋にジタンが遊びにきていた 手にはハンドル、ジタンとバッツは床に胡坐をかき、時折、ハンドルと同じ方向へバッツは体ごと揺らしては、 ジタンとレースのゲームを繰り広げていた ゲームの合間にお腹をすかせたジタンは、眠気と空腹にぼんやりとした目をしていた バッツはそんなことに気づきもせず、ひとり白熱していた 外はすでにどっぷりと暗い ルームシェアの主であるスコールはまだ帰宅していない 「なーバッツー」 「んー」 「なんか出前とかとらないの」 「あー、」 「なーバッツー」 「ああ!!また負けた!」 「あきたー」 「勝ち逃げよくないぞジタン」 「だって、バッツ下手なんだもん」 「ジタンがショートカットしなきゃ勝てる、自信はある」 「そういってさっき負けたじゃん」 「次は勝つ、ジタンが勝ったら出前頼むから、なっ」 「いいぜ、本気でやるから覚悟しろよ」 「・・・」 「ああ、却下なしだから」 「・・・」 「どうせ出前とるならスコールがすきなのとろう!いいだろー」 「・・・ジタンさん、スコールがすきなのって」 「お・す・し」 「俺がなんか作る」 「えー!バッツのご飯おいしいけど見た目まずそうなんだよなー」 「つべこべいわずに俺のご飯たべなさいー!」 「やだー!やだー!」 「それにしてもスコール遅いな」 「流すな!」 「はいはい、ジタンなに食べたい」 「だから、おすし!」 「はいはい、ちらしずしでいいよなー」 「けっちっ」 「スコールが今帰ってきたら、おすし食べに行くか」 「バッツのおごり?」 「おごり」 「ぜったいスコール空気呼んで帰ってくる」 「そんなわけないって」 バッツが勝つまで、と再戦を繰り返していれば一向に勝つ様子もなく、ジタンは飽きていた 一足先にゴールをして終えれば、ハンドルを床に置いて、ジタンはそのまま横になった もう一度とせがむバッツを断れば、ジタンのお腹が鳴いた それにつられるようにバッツのお腹も鳴いた 出前、という言葉に賭けを挑んだバッツに、寝転んでいたジタンが勢いよく起き上がった ジタンはバッツに向けて、にんまりとあくどい笑みを浮かべハンドルを握っていた 目を泳がせて、今度はバッツがハンドルを床に置き、立ち上がって台所へ向かった それをブーイングしたジタンを軽くあしらいながらバッツは冷蔵庫を覗き込んでいた そこにガチャリ、と鍵の空く音がした 「スコール!」 「え、まじで帰ってきちゃったの!?」 「帰ってこないほうがよかったのか」 「そうじゃなくて、」 「おすしっおすしっ」 「ジタン、よく分かったな」 「へ?」 「スコール、それなに」 「帰りにおすしを買ってきた、スーパーで特売だったからな」 「スコールでかした」 「えーまわらないおすし連れて行ってもらうつもりだったのに」 「なんの話をしているんだ」 「今、スコールが帰ってきたらバッツがおすし食べに行こうって」 「ほんとに帰ってくるから俺のお財布、空っぽになるところだった」 「それは、・・・すまない?」 「でもスコールがおすし買ってきたら問題ないな」 「スコールがおすし好きだからおすしって言ってたんだ」 「・・・そうか、」 スコールが靴を脱ぎながら、出迎えたジタンとバッツに袋を見せた その袋をジタンが受け取りながら中を見れば、特売と書かれたシールが張られたおすし バッツはほっと一息をつきスコールにおかえり、と告げた 嬉しそうにジタンは笑顔を浮かべておすしを見てから、スコールへ視線を向けておかえり、とバッツに続けて告げた リビングへ向かいながらバッツとジタンがおすしに行き着いた経緯を話していれば、スコールは困惑気味に謝り、くすりと笑った
2010 1 27